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舟橋研究室 名古屋工業大学 情報基盤センター 舟橋研究室
"バーチャルリアリティセンター"

舟橋研究室
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舟橋研究室ウェブサイト www.center.nitech.ac.jp


旧 情報メディア教育センター(旧々 情報処理教育センター)は、 平成18年度より新 情報基盤センターの一部として発展的に解消しました。

お知らせ

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研究内容

主にバーチャルリアリティを中心とし、コンピュータグラフィックス、画 像処理、コンピュータビジョン等、映像、画像関係をてがけています。各テー マは基本的に「人間が中心」に位置しており、人間が外から「それ」を見るの ではなく、それぞれの「その中」から世界を見ている、という感じでしょうか。 常に、「素直な目」を忘れずに、研究のための研究とならないように心掛けて います。広くは、ヒューマン・コミュニケーション、ヒューマン・マシン・イ ンタラクション、感性情報処理、エンターテイメント、等も研究対象としてい ます。

バーチャルリアリティ

対話操作モデル

バーチャルとは、みかけや形は現物そのものではないが、本質的あるいは 効果として現実であり現物である、という意味です。すなわち「現実のエッセ ンス」と言えるでしょう。空想、夢物語のことをバーチャルと言うのではあり ません。バーチャルリアリティとは、CG により表示している、という意味で はなく、現実そのものではないが現実の効力を有することにより現実そのもの のように感じる仕組み、技術のことです。CGどころか、そもそも視覚フィード バックは考慮しない聴覚のみのVRもあります。バーチャルリアリティ(VR)によ り、医療や宇宙開発など「ちょっと試してみる」ことが困難な対象を、同等の エッセンスを有するVR空間として構築し、「試して」みるという効果を得るこ とが可能になります。

仮想手による物体操作
仮想空間に仮想の手を構築し、仮想手はグローブ型入力装置を介して操作者の 動きに同期して動きます。面接触や摩擦等を厳密に考慮すると実時間での計算 が困難となり、仮想のブロックを持ち上げてもその様子が表示されるのは数分 後、なんていうおかしな状況になってしまいます。そこで、手による把持操作 を幾何的にモデル化し、物体の把持操作を実現しています。物体の自由落下、 落下後の床面上での転がりや安定した状態で止ることも実現しています。
仮想の両手による協調操作
仮想手による物体操作の拡張です。両手による操作は、基本的には両手が全く バラバラに動くのではなく、目的の操作に向かって動くことに注目し、統合手 という考え方を導入し、実時間での両手による仮想物体操作を実現しています。 一つの目的に対して行動することに注目し、二人のそれぞれの手による協調操 作も実現可能です。
仮想道具を介した操作の実現
仮想手により直接仮想物体を操作するだけでなく、仮想の道具を介しての物体 操作を実現しています。個々の道具をプログラム上で実現すると、新たな道具 を導入したい場合にはプログラムを編集する必要が出てきます。そこで、手と 道具、道具と物体、それぞれの知識を、道具の形状とともにデータファイルと して保存する形式を提案しています。
粒子体積に基づく仮想液体操作モデル
操作対象を従来、主に考慮されていた固体のみから、液体へと広げました。流 体力学に基づく計算は厳密であるが、計算時間も必要であり、VRというリアル タイム処理には適しません。そこで、液体を自由落下と容器内で静止している 二通りに限定して考え、それぞれを個々の粒子と体積としてのみ扱い、容器に よる仮想液体操作を実現しています。
密度遷移モデルによる液体の流れ
二通りに限定していた液体の状態を、流れの状態にも拡張しました。CGでよく 行われているパーティクルによる流れの表現では計算時間の関係から実時間処 理が困難です。そこで液体を格子状の領域に分け、それぞれの密度パラメータ を設定し、その密度を近傍の領域と比較、遷移させることにより操作可能な仮 想液体を実現しました。
粒子体積ベース液体モデルの波とかき混ぜ動作
密度遷移モデルは、パーティクルベースよりも高速ではありますが、多量の液 体を対象とすると必然的に計算時間も増加してしまいました。そこで、波動方 程式に基づき、容器内で体積のみに注目する状態の液体に対し、液面にのみ適 切な波を表示することにより、高い臨場感と高速処理を実現しました。またか き混ぜ動作による「渦」も表現しています。
粒子体積ベース液体モデルと色の表現
これまで単色だった液体のモデルに色を導入しました。単に色を付けるだけで はなく、拡散方程式により色がにじみ、ひろがっていく様子を表現しました。 自由落下状態の液体と静止状態の液体との色の干渉、静止状態同士の液体の色 の干渉が実現できています。同様に臨場感を高めつつ高速処理を維持しており、 「VR化学実験室」、「バーチャルお料理教室」への適用などを考えています。
粒子体積ベース液体モデルの自由落下液体表現
これまで、自由落下液体の描画は非常に簡易的に済ませてしまい、容器内液体 の表現を向上させてきました。そこで、鍵粒子と包絡面による表現手法を新た に提案し、これまで以上の高速処理と、高い描画の質を実現しました。同じ枠 組で水しぶきも表現しており、さらなる臨場感の向上が期待できます。
変形曲面に基づく固体群操作モデル
砂や溶岩、さらには炒飯のような、多くの「固体」が集まった対象に対する操 作を考えてみましょう。一般的には「多くの固体」同士の干渉として計算を行 います。しかしこれでは多大な計算時間が必要となってします。ここでは固体 群(固体の集まり)を「1つのもの」として扱い、その挙動を考えます。具体 的には、個体群を格子により表現し、曲面に基づき全体の挙動を決定します。
粒子法による改良型固体群操作モデル
個体群モデルではやはり挙動の表現に限界があります。しかし粒子法などは多 大な計算時間が必要です。そこで個体群モデルをベースに、一部の挙動に確立 に基づき制御する粒子を取り入れることにより、計算時間を抑えたまま個体群 の移動における臨場感を高めています。さらに、個体群の容器外での挙動(フ ライパンから皿への移動、フライパンから「舞い上がらせる」など)も考慮し ています。
固体群操作モデルの対象とする容器モデルの拡張
固体群操作モデルでは、処理を簡略化するために対象物を入れる容器を、底面 が平面の多角柱と限定していました。しかし炒飯を調理するフライパンのよう に曲面で構成される容器も存在します。そこで、容器形状を球の一部で表現し、 操作モデルを拡張します。様々な操作の実現を目標にしています。
バネモデルによる仮想気体操作
操作対象を、気体へと広げました。ここでは、空間内に空気の流れを計算する ための粒子を配置し、それぞれをバネで接続しています。位置センサを取り付 けたうちわを振ることにより仮想のうちわを操作し、仮想空間内の風鈴をなら すことが可能です。
仮想はさみによる紙の切断
道具の中でも、身近で、可動部分を有するはさみに注目し、仮想空間内で実現 しました。グローブ型入力装置を装着して仮想手を動かし、仮想はさみを操作 し、仮想の紙を切断します。視覚のみのフィードバックのため操作が若干難し くなります、そこで様々な補正方法を考案しました。この補正の考え方ははさ み以外の道具を構築する際にも適用できるでしょう。
希薄フィードバック環境下の仮想はさみ
体性感覚(触覚、力覚)フィードバック装置は、価格、サイズの面において大 規模になりがちです。医療や宇宙開発などの分野であれば導入に対する問題も 少ないでしょうけど、家庭レベルでの導入となると、携帯電話やゲームコント ローラで馴染みのある振動子程度でしょう。そこで、振動子と簡単なスピーカ、 および視覚ディスプレイにより仮想はさみによる紙切断の操作性を向上させる ことを検討します。

VRコンテンツ

VRは、ある種のメディアと考えることができます。音響の記録再生が可能とな り、音響メディアにより音楽という文化が発展しました。映像の記録再生が可 能となり、映像メディアにより映画などの文化が発展しました。音声映像の記 録再生、生成技術そのものに対する研究開発も重要ですが、それをどのように 利用しているか、という文化面も見逃せません。VRにおける技術そのものも重 要ですが、それをどのように活用できるのでしょうか。VR技術により伝えるこ とのできるコンテンツ、一言で表すのならば「体験」という言葉が良いでしょ うか。特に、練習、訓練、トレーニングに適したメディアかもしれません。も ちろん、何でもあり(失礼…)のアートにも適しているでしょう。

触れるインターネットショッピング
近年普及してきたインターネットショッピング。カタログ誌とちがい、好きな 時に、好きな方向から見ることができたり、動きや音も確認できたりと便利に なりました。でも、ちょっと手にとって、大きさや好みを直感的に判断するこ とはできません。絵(静止画、動画)をじっと見つめ、数字で示されたサイズ を定規で確認したことはありませんか。本研究では、振動子を基本に、家庭へ の普及を考慮したVRネットショッピングシステムを構築していきます。
バーチャルお料理教室 - 調理学習システム
バーチャルリアリティという言葉は、多分、多くの人が知っているでしょう。 でも、VRが何かというと、アミューズメントパークのアトラクションや、SF映 画の中の話、くらいにしか思っていないのではないでしょうか。本研究では、 家庭で利用することを意識した新しいコンテンツとして「バーチャルお料理教 室」を構築しています。料理の手順などを体を動かして覚えていくシステムで す。技術的には、仮想液体モデルや固体群操作モデルなどを利用します。
VR化学実験室システム
e-Learning システムが普及してきています。しかし、実際はテキストをベー スに、音声、動画コンテンツが加えられている程度で、対話性があるといって も「実際に体験」する学習には適していません。このシステムは、初等教育に おける「化学実験」を自宅などで、「実際に手を動かして」体験できることを 目指しています。教科書やビデオなどで化学反応を受動的に見るだけではなく、 自分で体験することにより理解を深めることが可能になるでしょう。
VR化学実験室システム、タブレット版
PC上で構築し、位置センサにより操作が可能なVR化学実験室システムを、タブ レット端末上でも実現しました。この際、タッチパネルを介して3次元空間内 の対象物(容器)を移動、回転する必要があります。そこで、地理座標系(緯 度経度座標系)をベースに緯線経線に沿った回転モデル、インターフェースを 提案します。直感的な移動、回転操作が実現できます。
小児のための手洗い教育システム
小児医療の現場では小児用のおもちゃ等を介して様々な感染症を接触感染して しまうリスクがあります。これを予防する最も簡単で効果的な方法は手指衛生 です。本システムでは、本来なら視認することができない手指の細菌を、VR技 術を用いてイラストの重畳表示により可視化することで、小児に手の洗い方を 教育することができます。手洗い動作により細菌を消すという体験を通して、 小児が適切な手の洗い方やその重要性を遊びながら学ぶことができます。
小児のための手洗い教育システム2
保育園や幼稚園では玩具やドアノブ、手摺り、照明スイッチ等を介して様々な 感染症を接触感染してしまうリスクがあります。手洗い動作の教育も行います が、泥汚れと違って見た目が汚れていないと手洗いの必要性を体感することは 困難です。本システでは、本来なら視認することができない手指の細菌を、AR 技術を用いてイラストの重畳表示により可視化することで、小児は手洗いの重 要性を遊びながら学ぶことができます。
小児のための歯磨き教育システム
歯磨きは食べかすや細菌の塊がたまりやすい所に注意して行う必要があり ます。しかし歯磨きの必要性を体感することは困難です。本システムではPCに 接続されたカメラの映像から歯の汚れやすい部分をリアルタイムに検出した上 で、子供の自身の顔画像内の歯にばい菌イラストを重畳表示します。歯の汚 れやすい部分を子供たちにわかりやすく示すことで正しい歯磨き習慣を学ぶ ことができます。
タッチタイプ可能なVRピアノ
これまでのVRピアノ、タブレットピアノアプリは、本物のピアノのように「見 ずに弾く」ことはできません。ひとつの解決方法は「力触覚フィードバック」 の実現でしょう。そこを、音楽理論に基づいて運指のズレを認識して補正する ことで、タッチタイプが可能なVRピアノを実現します。音楽理論をより重視す ることで、ランダムな指運びに対しても違和感のないメロディを奏でることも 可能です。
全天球カメラによる自己俯瞰体験
自身を第三者視点から眺めてみたいと思いませんか、新たな発見があるかもし れません。ドローンなどを使えば実現することは可能でしょう、しかし大変で すね。そこで、頭部に設置した全天球カメラとHMDで自身を俯瞰するシステム を提案します。厳密には、対象物との距離も分からずオクルージョンも発生し ますが、簡単な仮定を設けることでカメラ1つで実現します。不思議な感じが しますよ。
介護施設入居者の心的ケア
介護施設では様々なレクリエーションやイベントを行っています。しかし外出 は健康状態が比較的良好な者に限られてしまいます。そこで、対能な映像提示 による心的ケアを目的とするシステムを提案します。ご家族に提供していただ く家族旅行の写真やビデオ素材をもとに、思い出を追体験したり、写っている 人や対象物などとインタラクティブに関わることができるコンテンツを提示し ます。介護施設スタッフの負担軽減にもつながることを期待しています。
ビデオ通話ベースVRリビング
介護施設ではご家族の面会が期待されていますが、困難なこともあります。家 庭のリビングルームでは、家族が自由に生活しており強いつながりはありませ んが、話しかけることでいつでも会話を始められます。また終了を主張しなく ても自然と終了します。このような適度なつながりをお互いが同室にいないと きにも感じることができるような仮想的な空間、「バーチャルリビング」はい かがでしょうか。

ミクストリアリティ

バーチャルリアリティが現実そのものではないが現実そのもののように感じる 技術であることはVRの項目で説明しましたが、多くの場合、視覚フィードバッ クが中心であり、またそれはCGにより表現されることがほとんどです。もちろ ん、テクスチャマッピングなどにより写真を利用することもあります。そして、 内部データや表示系のデータの主な部分を実写(写真、動画)に基づき生成し 利用しているVRを、特にミクストリアリティ(MR)ということがあります。注意 したいのは、MRというのは実写を利用しているということではなく、音なども 含め、実データを利用している、という点です。また、MR技術により生成され た空間というものは既に現実そのものではなく、また現実そのもののように感 じさせる技術であり、MRはVRの一部です。実写が中心となっている場合に拡張 現実感(AR)と表現することもありますが、これもVRの一部であり、MRと類義語 と言えるでしょう。またCGを中心に少々の実写データを利用しているものをリ アルバーチャリティと言うことがありますが、一般的ではありません。結局の ところこれもVRであり、AR/MRに分類されるでしょう。

仮想物体の実物体への干渉
ミクストリアリティ環境において、実物体と仮想物体の接触、干渉を実現して います。干渉を実現するためには、実物体の「2次元的な見え方」だけでなく、 3次元的な位置、形状を再構成する必要があります。この技術自体は、コンピュー タビジョン(CV)の分野においてたくさん研究されています。
知識を利用した実物体の仮想化
実物体の3次元的な位置、形状を、家庭用のカメラでちょっと撮影しただけで 再構成し、そのままその場で仮想物体との干渉を実現しています。再構成には 様々な条件が必要ですが、ここでは対象物が角柱などの人工的な形状である場 合が多いことを仮定し、全自動化を実現しています。
発表者重畳表示プレゼンテーション支援
プレゼンテーション時に、聴衆に注目してほしい箇所があるとき、聴衆がその 箇所がどこにあるかわからなくことがあります。そこで発表者をスクリーンに 重畳表示し、インタラクティブなスクリーンへの書き込みを可能とするプレゼ ンテーション支援ソフトウェアを提案します。発表者の自然な、かつ小さな動 作を認識し、スクリーン内での移動を実現することで、ステージ上の制限され た空間での移動を実現しています。
質問者重畳表示プレゼンテーション支援
プレゼンテーション後に、発表者とは別に不特定の聴衆から発言、質疑が行わ れることがあります。しかし会場が広い場合、多くの他の聴衆が質問者の姿を 捉えることが難しい場合が多いでしょう。そこで、通常のマイクのように利用 できる、魚眼カメラ内蔵マイクにより、質問者の顔を抽出してスクリーンに表 示することにしました。本システムにより、質疑応答への聴衆の関心が深まり、 ひいては深い理解につながるでしょう。
指示棒重畳表示プレゼンテーション支援
大きなプレゼンテーション会場には、1つの大型のスクリーンに加えて少し小 さいスクリーンが複数配置されます。発表者はメインスクリーンに対してレー ザポインタや指し棒を用いますが、後方の聴衆は指示動作を視認することが困 難です。そこで、シンプルにウェブカメラとソフトウェアのみにより、発表者 の指示動作を全スクリーンに提示することで聴衆全員に伝達します。
スマートフォンを用いたシースルービュー
自動車運転時、すぐ前方の車がトラックなどの背の高い車で、その先が見え難 かったという経験はありませんか。前の車が透明だったら良いのに、と思いま せんか。多くのひとが持っているスマートフォンをナビのように設置して、車 車間で通信することで、前車の前方映像を後者の画面上に表示する仕組みを提 案します。特別な機器や新規のインフラなしに、シースルービューを手に入れ ましょう。

インタフェース

VRシステムを構成するのに必要なインタフェース(ハード&ソフト)から、 (狭い意味ではVRのフィールド外な)インタラクティブなコンテンツ、またそ のためのインタフェースデザインに関する研究も行っています。

センサー数の少ないデータグローブの補正法
VRコンテンツを家庭に普及させるためには、安価な入出力装置が必要になりま す。しかし、例えばデータグローブの場合、数十万円から数百万円もするため、 気軽に買うことはできません。ところで、PAX PowerGlove というものを知っ ていますか? 実は、1万円程度のデータグローブも存在しています(した)。 当然、精度が低いだけでなく、センサー数も限られています。そこで、各関節 動作の相関や、操作対象物体の形状方法を基にデータ補正を行います。
ビジョン(イメージ)ベースデータグローブ
データグローブは、研究用の高価なものからゲーム用の比較的安価なものまで、 種々販売されています。しかし安価とはいえ普及には至っていません。PCカメ ラやタブレット背面カメラを利用した画像に基づく非常に安価なデータグロー ブ(システム)を開発しています。これを入口とし、VR装置やコンテンツの普 及、生産数の増加による価格の低下が見込まれます。
顔とディスプレイの距離に応じた自動ズーム
人間は手に持った書類や本などの文字のサイズが小さくてそれを読みづらいと 感じた場合、それとの距離を縮めることで文字を見やすくして読もうとします。 また、大きな紙面の全体像を見たいと思った場合、それらから離れて距離をと り全体像を視界の中に収めることで全体を見ます。PCやタブレットデバイスを 使用している場合にも、画面と顔との距離から画面の表示サイズを適切に拡大 縮小する手法を提案します。老眼特有の動作にも対応して拡大します。
小さな画面のための部分ズーム
文章をスマートフォンで拡大すると、文章が途切れて一部の単語しか見えな くなり、頻繁にスクロールする必要があります。そこで、小さな画面に表示 されている全てを拡大するのではなく、注目したい部分を拡大してそれ以外 の部分を縮小するような部分拡大方法を提案します。
紙文書拡大AR眼鏡
電子書籍は拡大表示しやすいのですが、老眼になりやすい高齢者は印刷された 本を読む傾向があります。老眼鏡を使うことが多いけれど、メモを取るときな どに何度もかけたり外したりする必要があります。そこでシースルーHMDメガ ネを用いたAR紙文書ズームシステムを提案します。老眼の人でも拡大された紙 文書を容易に読むことができます。
テレビ会議時の瞳拡大による存在感増強
テレビ会議という仕組みも一般的になってきました。個人対個人のテレビ電話 ではなく、多人数対1人で遠隔会議を行っていると、単独で参加している人が、 「場」から取り残されてしまうことは、ありませんか。そこにいるんだ、とい う存在感は、やはり映像音声だけでは伝わらないのでしょうか。発話直前の自 然な動作を検知して遠隔地単独参加者の瞳を少しだけ拡大表示することで、存 在感を増強することを試みています。これで会議効率も向上するでしょう。
片目失明者のための視野サポート
視力を失うということは、とても大変なことでしょう。公的なサポートも進ん でいます。ところで、片目だけが不自由な場合はどうでしょう。側方からの情 報が、思いのほか欠如してしまいます。ところで、HMDと魚眼カメラによる視 野拡大の試み、という研究があります。ここでは、正面視野には手を加えずに、 残された目の視野の側方部分に、欠如した領域の映像情報をも提示する、とい うことを試みました。障害のある方の助けになることを期待します。
非視認状態を想定した新タップ
静電容量式タッチパネルの操作は、スクリーンを見ずに、あるいは一瞥だけし た後に、手探りで操作することができません。手探りで目的の「ボタン」を探 そうとするとスワイプ操作になってしまいます。そこで、点字状の突起物を貼 り付けた上で、手探りでも操作できる新しい「逆タップ」を提案します。視覚 障害者用端末や、自動車の(エアコンやオーディオの)操作パネルへの応用が 期待できます。さらに切替スワイプや支持タップも提案しています。
視線方向制御によるHMD後方試聴の容易化
家庭用HMDの開発が進むことで多くの人が自宅で気軽にVRを楽しむことができ るようになってきました。自宅では座った状態での利用が多いのですが、人間 の首腰の回旋可動域では座った状態で後方を視認することは困難です。そこで 見ている方向、すなわち目を向けている方向と異なる、より後方の風景をHMD に提示することで腰を浮かせずとも後方を見ることができるようにします。
HMDを通した視覚的な疑似気配の提示手法
メタバースという言葉が注目を集めています。データさえあれば「レーダー」 のように後ろの状況だって確認できるかもしれません。でも普段の、日常のよ うに、意図的に確認するのではなく、なんとなく「気配」を感じられると良い と思いませんか。でも、あまり大がかりな装置の利用はなかなか困難です。既 存のHMD利用を想定した、視覚的な疑似気配の提示法を提案します。

その他

Swimming Across the Pacific
太平洋を泳いで横断しよう!これは、アートワークです。実際に太平洋を泳ぐ わけではなく、太平洋上空を飛ぶ飛行機の中で泳ぎ続けることを考えます。と いっても飛行機にプールを設置するのは難しいでしょう。そこで、VR技術によ る仮想水泳システムの構築を考えます。このプロジェクトは現在、仮想水泳シ ステムが完成している状態で止っており、スポンサー(飛行機)を探している ところです(!?)。
VRのための波と水しぶき
SAP プロジェクトの一部として、VR システムのための波と水しぶきの表現モ デルを考案しました。非リアルタイムであれば写真と見間違うような水のCGも ありますが、VR システムへの応用は困難です。ここでは、SAP システムを目 的に、インタラクション可能な波と水しぶきの CG モデルを開発しました。
脳内血流による身体性評価
VRシステムの評価は、多くの場合、主観的な評価になりがちです。何故ならば、 存在自体は計測することが可能でも、どのように効果を感じているかは、なか なか数値的な測定が難しいからです。ここでは仮想はさみを題材に、実際のは さみによる切断操作などとの違いを脳内血流の変化から評価します。将来的に は、「VRの度合い」を測定できることを目標にしています。
自動車運転時の危険示唆法
某車関係のCMなどで、フロントガラス上の歩行者が、ロボットアニメのコック ピットからの映像のように強調表示されているのを見たことがある方も多いで しょう。しかしこの表示のためには、歩行者検出技術のみならず、運転者の視 点検出とその視点に合わせた重畳表示が必要です。本研究では、視点検出の不 要な簡易表示法を提案することにより、大衆車へのシステム搭載を目指します。
操作における自己主体感
道具のインタフェース開発において人間の知覚を考慮することは重要であり、 心理学の分野では道具を操作する人間の自己主体感 (sense of self-agency) に関する研究がなされていいます。本研究では、連続的な入出力信号間の遅延 時間と相互相関に対する、自己主体感と安心感の変化について考察します。人 間が操作していると感じるために許容できるノイズと遅延の度合いを検討する ことで、インタフェースやVRシステムの精度や性能の妥協点を見出せると期待 できます。
操作における身体所有感
心理学の分野では身体所有感 (sense of self-ownership) に関する研究もな されていいます。ところで「人馬一体」、道具の「手足のような」操作、とい う表現を聞いたことがあるでしょうか。これは見方を変えれば、道具に対する 拡張的な「身体所有」感といえるのかもしれません。本研究では、熟練者でな くてもこの感覚を得易くできないだろうか、という視点で検討を行っています。 インタフェースやVRシステムの設計に役立つことを期待しています。
自動運転の右折タイミング
自動運転に関する研究が盛んに行われています。ところで、時には確かに安全 であっても心理的に不快を感じることはないでしょうか。安全の確保はもちろ んですが、乗員が不快に感じない、相手に不快感を覚えさせない自動運転を実 現する必要があるでしょう。そこで「適切な右折」に注目して直進車が不快感 を覚えない右折運転行動の解析を行います。
BGMによるシーンの色付け
映画などを見るときに、BGM や効果音から影響を受けます。聴覚から得られる 感覚を視覚により擬似的に感じることができれば、聴覚障害者が視覚情報だけ で映画などのBGM などの効果を受けることが可能になります。心理評価に基づ き、画面の周囲に色彩効果を付加し、BGM の効果を視覚的に表現することを試 みます。なお、サンプル画像は著作権を考慮しモザイク処理してあります。
XMLを利用したインターネット上での動画編集システム
インターネットの普及により映像コンテンツが動画共有サービスで閲覧可能に なってきました。既存の動画共有サービスではWeb上の動画を観賞することに 重きを置いて設計されていています。しかし、著作権の侵害等の問題が発生し やすいシステムのため、現在はダウンロードに規制をかけるなどの対応がとら れています。そこでXMLベースによる、Web上の動画をダウンロードせずに動画 編集を可能とするWebアプリケーションとしての動画編集システムを提案して います。
動画撮影時のメタデータ付与と編集
動画撮影後の編集時に、欲しいシーンを探すのに苦労した経験はありませんか。 スマートフォンなどのプログラム開発可能なビデオ撮影デバイスにおいて、撮 影時に「付箋」を貼っておくことのできるシステムを開発します。この目印を 元に、編集時に容易に「欲しい」(だろう)シーンを確認し、最終的に編集を 完了させます。SNSなどのサイトに即座に投稿が可能となります。
変化に鋭敏な脳波分類
脳と機械を繋ぐブレインマシンインターフェース (BMI) の研究が行われてい ます。しかしCNNによる脳波分類は変化への追従性能が低く、実時間システム には向いていません。この遅延を緩和しようとすると通常時の分類性能が低く なってしまいます。そこで、トレードオフの関係にある通常時の分類性能と脳 波の変化に対する追従性能を両立するために、入力信号長の異なるCNNをブレ ンドする脳波分類手法を提案します。
在室人数に応じた分散避難ルート
災害時の避難ルートは、通路の広さや部屋の大きさから静的に推定できる人数 をもとに事前に設定されています。しかし、各部屋の在室人数はその時々によ り違い、それが大きく異なる場合には最終的な避難時間の差となるでしょう。 名古屋工業大学では電子的な出席管理システムが運用されており、その情報を もとにその時点における在室人数に応じた避難ルートを大学構成員に提示する ことを考えました。
大学食堂の混雑度把握システム
大学では、食堂の利用時間が集中するという問題があります。日々の休講補講 などからその日のピークを予測することは簡単ではありません。ところで、名 古屋工業大学ではiBeaconを利用した出席登録システムが運用されています。 そこで、iBeaconを利用した混雑度把握システムを提案します。本システムは 食堂の外にいる人にもリアルタイムに混雑状況を知らせることができます。各 食堂利用者の自主的な利用時間の分散を促すことで、食堂利用の快適性が高ま ることを期待します。
GNPの改良手法を用いたヘテロエージェントの学習
マルチエージェントシステムとは、単体のエージェントでは行えないタスクを、 複数の協調によって達成するシステムです。また、ヘテロジニアスエージェン トの自動生成を行う手法として遺伝的ネットワークプログラミング(GNP)があ ります。共同作業における従来手法のGNPと改良手法のIGNP、GNPIAMの性能に ついて検討し、また、ヘテロジニアスエージェントに対して共進化と非共進化 手法を提案しそれぞれの性能の比較をします。
学生の就学傾向分析とその就学指導
本学では全ての講義室に、学生証により電子的に出席を確認するリーダーが設 置されています。さらに各回のレポート提出状況や成績などはe-Learningシス テムにより管理することができます。これらの情報を元にデータマイニングを 行います。そして見出された傾向から、今後、授業の中盤において不可となる 可能性の高い学生や、受講を放棄してしまう可能性の高い学生を事前に発見し、 前もって対応していくことを目標としています。

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業績・論文

次のページをご覧下さい。→ 業績・論文(舟橋健司)のページ (PDF 等あり)
学位論文等は、以下「メンバー」をご覧下さい。

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(卒業生の皆さん、連絡先や所属の変更があれば連絡ください。)

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