■裁判顛末記■ 平成17年6月○日、朝8時○分頃、妻がミニカトッポに単独乗車中、事故を 起こしてしまいました。瑞穂区の、とある広めの通りから少し住宅街へ入った ところで。状況は、相手方のみに一時停止規制、双方とも同程度の幅員、セン ターラインなし。相手の車は日産ステージア、氏名は宮○、助手席に妻が同乗。 色々プライバシーもあるので、適度に伏せ字とすることにしましょう。 直後に(警察などへの連絡の後)私も電話を受けて現場へ駆け付けました。相 手は一時停止したと供述しているもよう。この見通しで、それはあり得ないだ ろ…。相手の同乗者は、臓器移植を受けた経歴があるらしく、それ、および事 故との関係の有無は不明だが、体調不良のため救急車で病院へ搬送。トッポ、 見た感じ30万くらいはかかりそう。修理工場へレッカーしてもらいました。 先方の保険会社は日本興亜保険の、そんぽ24だろうか。修理費見積もり22万と 見事にケチってきた。工場の人も、ラジエータやエアコンのコンデンサは修理 できないだろうし、30万くらいかかりそう、と言ってたし。でもま、ここでも めるのはやめましょう。もともと、次の春か、その2年後の車検時に買い換え を考えていたから、これを機にホンダの某車に乗り換えることにしました。 8月の頭、ロスへ出張するために空港にいると、こちらの保険屋から電話が。 なんと、6:4(もちろん、こちらが4だが)を主張してきているという。ん な、バカな。あの状況で、一時停止してなおかつこちらの車を確認した上で、 事故が起ったなどと抜かすのか?こちらが減速の上での事故で、1:9だ、と は思ったけど、争うのも面倒なので、一時停止規制の交差点でのデフォルト、 2:8で許してやろう、と保険屋に託します。 その後、しばらく連絡してこない。どうやら、「やっかいな奴」にぶつけられ たようだなぁ。秋、やっと3:7との連絡が入ります。その少し後だったか、 強制保険から「被害者」請求があったと封書がとどきました。満額の120万に 近い額。相手がやっかいな奴なら、こっちだって甘い対応する必要はない。年 が明けて平成18年2月頃、25%までなら譲歩してやる、と連絡してもらう。 それが嫌なら、裁判所で会おう、と最後の通告。 結果、「調停でもなんでもやってくれ」(相手の言葉そのまま?)という返事。 バンクーバー出張中、国際ローミングで電話を受けました。高い電話代で…。 やってやろうじゃないのさ。でも、調停申し立ててすっぽかされたり、調停委 員の意見に従わなければ、こちらの骨折り損。ということで、一発、少額訴訟 とすることにしました。カメラを持って現場に行き、想定しうる様々な写真も 撮影してきました。 4月5日に簡易裁判所に行き、案内などを入手し、警察で事故証明書も入手。 妻に代って私が代理人となるための住民票なども入手。検察庁にも行き、実況 見聞調書も入手してきました。訴状を作り、現場の写真に様々なコメントを付 け、現場の地図、説明図も作成し、代理人の申請書も…、全てコンピュータで 作り、4月25日に提訴! 代理人の件も、無事認めてもらえました。 GW明けに保険屋から電話。相手は弁護士をつけたもようだ。弁護士特約付き だったのか。ま、関係ないけど。取り下げてくれれば25:75をのむと言ってき ている。あるいは、反訴すると言ってきてる。ここまで来て、訴訟費用も払っ たのに、25%では引き下がれない。20%なら取り下げてやる、と連絡してもらう。 さすがに20:80では「判決」と変わらないと判断したのか、そのくらいなら本 格的に弁護士雇って争うことにしたらしい。 弁護士が出てきたことだし、こちらも用意しておい た準備書面を5月10日、裁判所に持ち込みました。最初の期日は5月26日。 ところが、弁護士が忙しいからその日は欠席、と裁判所から連絡が入った。合 わせて通常移行の件も。てことは、私だって「仕事の都合」で期日に注文をつ けれるって事ね? 2日前、はっきり言って何の情報も含まれていないような 相手方の答弁書がブナの○って事務所の鈴○さんから届く。 5月26日、相手が来ないことが分かっていても、一応集合。裁判官、悪い奴 ではなさそう。まそりゃ、悪い奴であっては困るけどね。ただ、いかにも役人。 書記官の女の人は、色々対応してくれているけど、なかなか良い感じ。この日 は次回の期日を決め、答弁書に対する、一応の準備書面といくつかの追加の証 拠書類を提出して退散。 6月21日。相手の都合に合わせて、私は非常勤の仕事を半分休講にして、裁 判所に駆け付けました。実は前日夜遅く家に帰ると、何枚かのFAXが届いてま した。相手の弁護士から。これがプロのやり方かね。嫌らしいねぇ。ま、たい してない内容も全て予想の範囲、こちらも準備書面を作り、また非常勤の仕事 がコンピュータの演習だったのでその前にちょこちょこっと仕上げて、裁判所 に持ち込みました。 顔を合わせ、形式的に証拠調べ。すぐに和解の話し合いへ。ま、こんなもんか。 司法委員のおじいさんは、ちゃんとこちらの書類を読んでくれたもよう。弁護 士は保険屋から30%までと言われてきてたらしいが、司法委員は30%で和解する ことは勧めてこない、私が25%なら検討するというと、その旨、弁護士に伝え、 相手方に宿題を与えた状態で次へ持ち越し。 和解が成立しなかったら承認尋問も、と弁護士が言ってたので、私は一応、尋 問事項の準備と、質問に添える写真をいくつか準備。こちらの損害の消費税分 についても、準備書面を用意しておく。ま、和解の途中なので、気は楽なもん です。が、準備できるものは準備しておきましょう。 さて、7月28日。今日はいきなり司法委員のおじいさんが廊下にやってきて、 話し合いの続き再開。私としては20%で「引き分け」と思っているので、一応、 その旨を伝えてもらう。雑談混じりに、どの程度が収めどころか探ってみると、 こちらの準備書面、書証は十分に評価してくれてるようで、判決に持っていけ ば2:8は固そう。ま、一時停止の交差点、だしね。相手は拒否してきました けど。 保険屋つきの弁護士だし、相手本人も控訴してくるとは思えないけど、万一控 訴されたら、地裁では私は代理人になれないんだよな。弁護士なんて雇ったら 元も子もないし。ということで、5%分、相殺後の25,000円分程度は譲ってやる ことにしました。ところが、というか、予想通り、というか、こちらの車は修 理をしていないからと消費税分を損害額から除くように言ってきた。実はこち らの保険屋経由で、相手の保険屋の意向は既に聞いてました。準備しておいた 書類と共に司法委員に主張してやりました。 司法委員はこちらのみかた。弁護士に保険屋に何度か電話をさせ、消費税分は 認めさせました。これで、保険屋の交渉で2:8となった場合に比べて、事実 上15,000円のマイナスで落ち着きました。提訴後に25%で取り下げを依頼して きた時点に対して、訴訟費用(実費)分は十分に取り返しました。差引、10万 円弱を私が受け取って、全て完了です。ま、8-9年落ちのトッポが10万で引き 取ってもらえたと思えば、悪くはないかな…。 そんなこんなで事故から1年以上、裁判を決意してから4ヶ月間、満足とは言 いきれないけど、控訴のリスクゼロということで、一先ず決着です。これなら、 相手の減速を認めた(3:7)わけではなく、あくまでも2:8から「譲歩」 したとも言えますしね。民事1係の女性の書記官さん、まあまあ可愛い顔して ます、対応もそれなりに良かったし、お世話になりました、ありがとう。